初めて猫を飼う方なら、猫が急に嘔吐するのを見てびっくりするかもしれません。猫を飼ってから最も多く見られる症状の一つが嘔吐症状なのです。その原因は様々です。
まず、一番言われている原因は身体の中にたまった毛玉（hairball）です。猫が毛づくろいをする時に、抜けた毛を自然に飲み込んでしまいます。飲み込まれた毛は腸に溜まるようになり、猫は腸に溜まった毛玉を排出するために嘔吐します。自然現象ですが、頻繁に嘔吐すると胃液によって食道が悪くなり、毛玉をきちんと吐けなくなります。毛玉をきちんと吐けないと便秘や消化不良、腸閉塞の原因になることがあるため、普段のケアが必要です。よくブラッシングをして、抜けた毛を取り除くか、毛玉を便として排出するように助ける餌や栄養剤を与えましょう。
2つ目に、猫は食べ過ぎたり急いで食べた時にも嘔吐します。食べた餌が消化されずにそのまま出てきたとしたらそれが原因のことが多いです。猫がドライフードと水を一緒に摂取すると胃でフードが増えて胃の圧迫に耐え切れず吐いてしまうのです。こういう時は猫が長時間お腹を空かせないようにご飯の時間を調整したり、ゆっくり食べるように誘導する専用のお皿を使ってみることをおすすめします。また、餌を少しずつ頻繁に与えたり、餌入れの高さを上げてみることも嘔吐防止の方法のひとつです。
3つ目に、餌やおやつにアレルギーがあったり、新しい食べ物を食べた場合に吐くことがあります。敏感な動物の猫は新しい環境に適応するのに長い時間がかかります。好奇心旺盛な猫でも、新しい餌を食べるようになれば消化できずに吐き出すことがあります。こういうときは既存の餌に新しい餌の割合を少しずつ増やして適応期間を置いて与えるのがいいでしょう。一方、特定の食物アレルギーがあると、体が拒絶反応を起こして嘔吐することがあります。その餌をあげるのをすぐにやめてください。
4つ目に、ストレスをたくさん受けた時に嘔吐することがあります。引越しや新しい家族ができるなど環境に変化が生じたり、近所の工事による騒音で休めない時などに猫はストレスを感じます。敏感な動物なので、このような時は嘔吐したり脱毛が起こるなど、様々なストレス反応が出てきます。最大限新しい環境に適応できるように手伝ってあげないといけません。
5つ目に、空腹時間が長い時に嘔吐することがあります。こういうときは、嘔吐した物の色が、黄色や黄緑、茶色っぽい色味のことが多いです。空腹時間が長くなると、胆汁が逆流して胃を刺激し、胆汁とともに胃液を吐き出します。このような時は、食習慣を改善するために食事時間と食事量を調節する方法を試してみてください。
もし猫が短時間で何度も吐いてぐったりしている場合、消化器官の病気にかかったり、胃や食道がふさがっているかもしれないので、専門医に相談してみてください。
